IoT Lab

幼稚園・保育園における園児の関係性を見える化

NIFTY IoT Lab「園児の関係性見える化サービス」
本作品は被保護施設(幼稚園、保育園)の先生や園児の親が、園児のことをより理解してサポートしてあげたいニーズに応えるために、園内で過ごしている時間の園児間の関わりや、遊具で遊んでいる状況を知ることができるサービスです。

課題

・幼稚園や保育園に子供を送り出す親御さんが、園内でどのように過ごしているかもっと知りたかった
・園児を見る保育士さんが、園児の過ごし方を理解して世話をしたかった

効果

・園児同士の関わりをゆるやかに見ることができた
・どの園児がどのような遊具に興味を持っているかを
 把握できた

IoTデザインセンターの得た知識・ノウハウ

・BLEモジュールのファームウェア更新
・限られた保存領域を圧迫させないような工夫
・データをクラウドに上げる手法

INTERVIEW

IMG 幼稚園・保育園における園児の関係性を見える化

本サービスのディレクターである、IoTLab)森藤氏に、本サービス開発の経緯、本サービスのポイント、そして開発を通じて得られた知見について聞きました。

子供同士や子供と遊具の関係性を見える化したかった

本サービス開発の経緯は何ですか?

被保護施設において、保育士さんが一人でみる園児の数はさまざまですが、十分に面倒を見切れないこともあると考えます。親御さんに対しても、だれだれちゃんと仲が良いとか、どの遊具で遊んでいる、といった話をしきれないこともあるでしょう。そこで私たちは、デバイスを使って緩やかに知ることができる仕組みを構築しました。

ポイントは、ビーコン+デバイス+クラウド

本サービスのポイントは何ですか。

稼働環境は3つに分けられます。
1つ目は園児や先生、もしくは遊具につけるためのビーコンです。これにはBLEがついており、園児間や園児と遊具の距離を測ることができます。C言語で開発し、Nordic Semiconductor 社が提供する nRF51822 + nRF51 DK ボードを使って開発しました。
2つ目はビーコンのデータを収集するためのデバイスです。Raspberry piに無線LANとBLEのドングルをつけており、園児の距離のデータを収集します。Python + BlueZで開発し、Python 上で gattlib の API をコールして Central 機能を実装。収集したデバイスデータの各種送信は fluentd を採用しています。
3つ目はデバイスからネットワークを通じてデータを可視化するためのクラウドです。サーバ側はMySQLとMQTTを使っています。

システム構成図2

 

センサーデータをクラウドに保存するまでのノウハウを蓄積

本サービスの開発を通じて得られた知見・ノウハウは何ですか。

BLEで相互通信を行い、得られたセンサーデータをクラウドに保存するまでの一連の流れを知見として得ることができました。今回クラウドにデータを保存するまでには大きく3つに分けられます。

1つ目はBLEモジュールであるnRF51822のファームウェア更新です。nRF51822の初期状態はs110というPerifheralのみのファームウェアが書き込まれています。今回の案件では受信もできる必要があったためPerifheralとCentral両方の機能を持っているs130という送受信ができるファームウェアに更新する必要がありました。

2つ目はデータの扱いかたについてです。デバイスに保存できる領域は数十kBとなっているため、受信したデータを保存し続けるとすぐに領域がいっぱいになってしまいます。そのため、Raspberry piにデータを送信した後デバイスに保存されているデータを削除を行い保存領域を圧迫させないような工夫を行ないました。

3つ目はデータをクラウドに上げる手法についてです。取得したデータをクラウドに上げるためにはデバイスをインターネットに繋げる必要がありますが、デバイス一つ一つにSIMを挿すのは金銭的な意味でも消費電力的にも現実的ではありません。今回は、デバイスに直接インターネットを繋げるのではなくRaspberry piをゲートウェイとしたネットワークを組むことでこれらの課題を解決しました。

IoTを行なっていく上で必ずデータをサーバーやクラウドに保存する必要があります。今回使用したデータは距離データとなっていますがこれが温度、湿度、加速度データであってもそのまま流用できる技術となっているため、センサーデータをクラウドに上げる際には今回のノウハウを生かすことができます。